『居酒屋とくさん』 徳島県徳島市

JR徳島駅の出口を出ると、目の前にバスターミナルがあり、右手の方にはアーケード商店街「ポッポ街」が見える。

今回お店『居酒屋とくさん』は、そのポッポ街のもう一本向こう側の道に入口がある。

ここでは地元徳島の食材を使った料理とお酒が楽しめる。

徳島名物を生かした料理を楽しむ

カツオのタタキといえたきといえば高知が有名だが、隣県の徳島でも食べられる。

私は高知で何度かカツオのタタキを食べたが、店にもよるのだろうが、この徳島のとくさんで食べたものが１番美味しいと感じた。

しかもその食べ方は、徳島のその土地の食材を生かした食べ方で、しっかりと地元の味として楽しむことができた。

とくさんは、他にも徳島のブランド鶏・阿波尾鶏や地酒など、徳島の味を満喫できるお店だ。

“徳島”の「カツオのタタキ」

カツオのタタキといえば高知だが、これまで食べた中で、私はとくさんで食べたカツオのタタキが１番美味だったと思っている。

そして、その食べ方が徳島ならではなのだ。

分厚く切ったカツオのタタキに、さらにそこに切れ目が入っている。

そしてその切れ目にタマネギ、ミョウガ、ニンニクをはさみ、徳島名産すだちをかけて、これまた徳島名産・鳴門のうず塩をつけて食べる。醤油はつけない。

これが本当に美味しかった。

その時のカツオの質によって味は変わるし、食べ方によって好みも分かれると思う。

しかしこのカツオのタタキは本当に美味しかったし、その美味しさがすだちや鳴門の塩といった徳島の食材で引き出されていて、旅行でやってきた私としては、それが本当に嬉しかった。

とくさんは、このように徳島を味わうことができる居酒屋なのだ。

徳島のブランド鶏「阿波尾鶏」を食す

旅行に行く前、食い道楽の知り合いに「徳島で美味しいものは？」と聞くと「阿波尾鶏」と返ってきた。

阿波尾鶏とは、徳島の全国的に有名な盆踊りである「阿波踊り」をもじった名前の通り、地元のブランド地鶏だ。

だから私は、どこかでその阿波尾鶏を食べようと考えていたところ、特産でその目的を果たすことができた。

阿波尾鶏は鶏肉なので食べ方は様々あるが、私はシンプルに焼き鳥でいただいた。

値段は１本２５０円と、焼鳥としては高いと感じるが、食べないわけにはいかないと注文した。（とくさんの料理は、全体としてはどれもリーズナブルだ。）

店員さんにタレと塩どっちがオススメかと聞くと、気を利かせていただき、それぞれ１本ずつ焼いてくれた。

当然だが美味しかった。

出荷数、シェアで名古屋コーチン、比内地鶏、薩摩地鶏といった有名ブランドを抑えて全国１位になったこともあるというが、それもうなずける。

やはりすだちが添えられているのもうれしい。

唐揚げや釜飯など、阿波尾鶏を使ったメニューは他にもあるようなので、今度はそれを食べたいと思った。

阿波伊島産の焼きガキ

徳島は瀬戸内海にも面している。

だからカキも採れるのだ。

とくさんでは、瀬戸内海としてはかなり外海側にある「伊島」という離島で採れたカキを、焼きガキとしていただいた。

四国最東端にある阿波伊島は、伊勢海老・サザエ・ウニなどの海産物が名物だ。

そんな伊島で採れたというカキも、もちろん美味しかった。

徳島でカキというイメージはなかったが、思わず美味しいものを堪能できた。

カツオや阿波尾鶏はもちろん、このカキを食べて、徳島は美食の地だと実感した。

地酒とすだちを使ったお酒

ここまで紹介してきた料理たちを食べれば、当然お酒も欲しくなる。

私は地酒と、徳島の名産のすだちを使ったお酒を飲んだ。

まずこの時いただいた地酒は、徳島県三好市の阿波池田にある蔵元・中和商店の『今小町 純米吟醸 紫雲英(げんげ)』。

けっこうな辛口ながら旨みもあるすっきりとした味だ。

とくさんには、他にも徳島を中心に様々な地酒があり、日本酒好きにはたまら店だろう。

しかし私は、次はすだちを使ったお酒をいただいた。

〈阿波〉生すだち酎ハイと生すだちハイボールだ。

酎ハイは焼酎、ハイボールはウイスキーという違いがあるが、すだちを使った爽やかな味は飲みやすく、様々な料理に合う。

他の日本酒も試してみたかったが、このすだちを使ったお酒を飲んで正解だった。

徳島といえばやはりすだちなので、ぜひとも飲んでほしい