生デニムを買ってきて、ファーストウォッシュ(初洗い・糊落とし)をしました。
生デニムのファーストウォッシュは、その後の色落ちを自分好みにするために重要な作業です。
ですがその方法を調べてみると、手順や水の温度など様々あるようで、どれが本当に正しいやり方かわからなくなくなってしまいます。
なので今回は、私がデニムの販売店の店員さんに直接聞いた話やネットで調べたやり方などを総合して考え、どのような方法が適切なのか、その手順を画像を使いながら詳しく紹介していきます。
私自身初めての作業でしたが、すごく上手くできました。
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まずはじめに、今回ご案内する生デニムのファーストウォッシュの手順の要点をご案内します。
- デニムを裏返す
- 大さじ1杯の塩と酢を入れた約40度のお湯をたらいに準備する
- そのお湯にデニムを2~3時間浸ける
- 洗剤を使わず洗濯機で洗う
- 乾燥させる
以上がおおよその流れになります。詳細はこの記事をご覧ください。
生デニムのファーストウォッシュとは?
「生デニム」というものがあるのをご存知ですか?(「デニム」とは、ここではジーンズのパンツ、いわゆるジーパンのことです。)
デニムは古着でも多く出回っており、味わい深く色落ちしたデニムはヴィンテージ品として高値で取引されることがある、色落ちなど着古した具合が魅力となる衣服です。
ですが「生デニム」はその反対で、まだ誰も履いたことがない新品のデニムのことです。
糸で織った生地を染め、ズボンの形に縫製し、パッリとした新品の衣服と同じく糊がまだバッチリついて、なんの加工もしていない状態のものを「生デニム」といいます。
ですので、生デニムの魅力は1から自分で着古し色落ちさせていくこと、つまり「自分で育て上げていくこと」です。
そして、その生デニムを買ってきて履く前に初めて洗うことを「ファーストウォッシュ(初洗い)」といいます。
そして生デニムにとってこのファーストウォッシュがとても重要な作業になります。
なぜなら、そのファーストウォッシュのやり方によってそのデニムがどのように育っていくか、その方向性が決まってしまうからです。
また、普通の服も洗うと少し縮みますが、生デニムは最大で約5cmも縮んでしまうことがあります。
裾上げが必要な場合もお店で買ったその場でするのではなく、ファーストウォッシュのあとにします。
つまりファーストウォッシュは色味はもちろん、自分にあったサイズや形にも影響する重要な作業といえるのです。
今回は、そんな生デニムのファーストウォッシュの方法を調べ、専門店の方に教えていただき、自分なりに考えて、そこから導き出した適切な方法で実際にやった方法を紹介いたします。
結果として非常にうまくできたので、「自分で洗った生デニムを履いてみたい」と思っている方の参考にしていただければと思います。
生デニムのファーストウォッシュの方法と手順
ここからが実際の方法と手順の紹介になります。
今回洗ったデニムは「児島ジーンズ 18oz 左綾 34インチ」です。
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1.準備
タグやフラッシャー(紙のラベル)などをすべて取り、デニムを裏返し、ジッパーやボタンをすべて閉めます。
糊がしっかりついたデニムはバリバリとして固くて、裏返すのもけっこう大変です。
以降の作業は基本的に裏返しのまま行います。
2.お湯に浸ける
お湯または水に浸けるのですが、浸けるお湯の温度や時間、方法など重要なポイントがいくつかありますので、ここでは順番に説明していきます。
使用する場所と方法
大きめのタライになどにお湯を張り、デニムを浸け、空気を抜き、重しをします。
バスタブでするのはデニムの色がバスタブに写ってしまう可能性があるので、特に賃貸物件などの場合にはおすすめしません。
タライは100円ショップやAmazonなどでも売っています。
もしタライが無い場合は、大きさが合えば、色移りのしにくい陶器でできた洗面台でもできます。
私は洗面台を使いました。
重しは水を入れた風呂桶です。
温度
お湯の適切な温度はいろんな説があるようです。
調べたところ、大きく分けて次の3種類の温度が出てきました。
「30~40℃」 「40~50℃」 「50~60℃」
この中から私が採用した温度は約40℃です。
理由は「生地が傷まない」「糊がしっかりと落ちる」の両方に適した温度だからです。
温度は高いほうが糊は落ちやすいですが、温度が高すぎると生地が傷む可能性があります。
生地を傷めない温度として、人肌ぐらいが適当かと思いましたが、デニム自体がやや硬めの18ozで糊もかなりついているので、しっかりと糊を落とせるように人肌よりも少し高い40℃前後が良いと考えました。
結果として40℃で糊はちゃんと落ちました。
時間
次はお湯に浸けておく時間です。
調べてみると、お湯に浸ける時間も本当に様々な説があります。
「30分」「1~2時間」「2~3時間「3~4時間」などが候補に上がります。
私は2~3時間程度にしました。
理由は温度のときと同じ、理由は「生地が傷まない」「糊がしっかりと落ちる」の両方に適しているからです。
お湯に浸けておく時間がここまでバラバラなのはデニムの質はもちろん、温度や洗剤を使うかどうかにもよります。
私が買ったお店の店員のお話では「3~4時間ぐらいは浸しておいたほうが良い」とのことでした。
それが私が買ったデニムの適切な時間かと思いましたし、色落ちしすぎたり生地を傷めたりしないように洗剤を入れないので、長めの時間にするつもりでした。
しかし、若干高めの温度(40℃強)で、それに加え塩と酢を入れることにしました。(塩やお酢を入れる理由については後ほど説明します。)
そういった温度や添加するものによって生地を傷めないよう時間を調整し、やや短めの「2~3時間」を採用しました。
そして2時間ほど浸けてから、途中でお湯を変えます。
お湯を変える理由は、いったんお湯をキレイにすることで糊をしっかり落とすためと、糊を落としたあと、塩やお酢を生地に浸透させなじませるためです。
なので2回目に使うお湯は塩もお酢も入っていません。
洗剤
洗剤を使うかどうかは、「どのようなデニムに育てたいか」にもよるので、お好みになります。
私はデニムの扱いは割と大雑把でも良いイメージを持っており、実際に色落ちの仕方はもちろん、傷や汚れでさえもそのデニムの個性となり、魅力となっています。
ブラッド・ピットがデニムを履いたままバスタブに入り、歌いながらブラシでゴシゴシと洗っていたEDWINのCMを覚えている人もいるかも知れませ。デニムを履いたまま海に入る人もいるそうです。
つまりデニムはキレイに扱うだけでなく、ワイルドの環境で様々な経験をさせることが個性になり、それが育てる楽しみと魅力となっています。
ですから洗剤を使い、色落ちを促すことも悪いことではありません。
しかし私は、できる限り自然な感じで育てたいため、ファーストウォッシュでは洗剤を使わない方針で行きたいと思います。
もしキレイな状態を保ちたい、汚れが気になるといった場合は、そしてデニム専用の洗剤というものがあるのでそれを使用するのがおすすめです。
またデニムはき始め、育てているときも「デニムは洗わない」という人がいますが、それは間違いです。
服を着ればその服に汗や皮脂などの汚れが付き、雑菌が繁殖します。そしてその雑菌が生地を傷めて、服の寿命を短くしてしまいます。何より不衛生ですし、臭いで周囲に迷惑をかけます。
そのためデニムも定期的に洗濯すべきで、そのときはデニム用洗剤を使うと良いでしょう。
塩・酢
さて、塩や酢を使う理由です。
生デニムの扱いについて書いている一部のサイトでは「塩の浸透圧を利用して生地についたノリや余分なインディゴを落とし、その後の色落ちを安定させるとも言われていますが、塩がインディゴを繊維内に定着させてくれる」とあります。
また、他にも「塩じゃなくて酢を入れるのだ」という人もいれば、「何も入れない人の方が多数派です」ともあります。
しかしデニム専門ではなく、洗濯についての専門の本やサイトを見ると「塩や酢は衣服の色落ちを防ぐ」というのが一般的な認識のようで、「デニムについては特に酢がオススメ」ともあります。
デニムは色落ちを楽しむものでですが、私は元々のインディゴの色をできるだけ楽しみたいと考えています。
また以前購入した桃太郎ジーンズには洗濯用の塩が付属していたので、デニムの洗濯に塩を使うことも一般的なのだと考えました。
だから私は色の定着のために塩と酢の両方を使うことにしました。
その際に注意することは、塩と酢は生地を傷めることもあるので、濃度に注意し、浸けた後は水でよくすすぐこと。
入れる量は、一本のデニムが浸るくらいの水の量なら塩と酢、共に大さじ1杯くらいです。
デニムに限らず、洋服の色落ちを防止するために洗濯の時に塩と酢を使うときは、最初の1~2回使えば色素は定着するとのことです。
以上の「約40℃のお湯」「浸ける時間は2~3時間で途中でお湯を変える」「塩とお酢を最初のお湯に大さじ1杯ずつ入れる」という条件で生デニムを処理しました。
1回目のお湯での糊落としのあとのお湯はこのような感じになりました。
糊と一緒に余計な色素も落ちているのがわかります。
2回目の湯に浸けたデニムを取りだし、表面に残った糊やしみ込んだ塩や酢を落とすイメージで丁寧に水ですすぎます。
そして次は洗濯機を使った洗の工程です。
3.すすぎ、洗い、脱水
湯につけたデニムを取りだし、表面に残った糊やしみ込んだ塩や酢を落とすために水ですすいだあとは、洗濯機で洗い、脱水します。
この洗いの工程はコインランドリーでするのがおすすめです。
理由はコインランドリーの洗濯機は、洗浄力や乾燥機のパワーが高機能で安定しているからです。
時間は標準的なもので問題なく、コインランドリーであれば初めから自動で設定されている時間で大丈夫です。
ファーストウォッシュでは汚れを落とすためではなく、あくまで糊を落とすためなので洗剤は入れなくて良いです。
もし入れるのであれば、やはりデニム専用の洗剤がオススメです。
色移りしてしまうこともあるから、他の洗濯物と一緒に洗わないよう注意してください。
しかし、デニムだけを洗濯機に入れて洗うと生地が傷むことがあるため、それが気になるのであれば、クッションの役割として捨てても良いタオルなどと一緒に洗うとデニムを傷めずに洗えます。
洗ったあとは洗濯機での脱水をしっかりしてください。
水分を多く含んだ状態のデニムは生地が分厚いため干した時に乾燥しづらく、その状態が続くと生地が傷んでしまいます。
特に私は次の「乾燥」過程を省略したので、脱水は特にしっかりとしました。(「乾燥」の過程を省略した理由は次で説明します。)
しかし、脱水のやりすぎは生地を傷める危険があるので注意です。
4.乾燥
乾燥機は家にあればそれを使ってもいいですが、コインランドリーの乾燥機で乾燥させるのがおすすめです。
理由は強力な乾燥機を使うことにより、しっかりと生地が縮み、サイズが安定するからです。そのため裾上げが必要な方は、必ずしっかりと乾燥機で縮ませてから裾上げをしてください。
またコインランドリーの乾燥機を使うと、ふんわりと柔らかく仕上がります。
以前TV番組で、嵐の松本潤さんが生デニムを買うという企画では、日本の有名な生デニムである『Resolute』を作ったの林芳亨はコインランドリーの乾燥機を使っていました。
理由はしっかり縮むことはもちろん、強力な乾燥機を使うことで、古き良きデニムの「毛羽立ち感」や「ふんわり感」が出て風合いがよくなるからだそうです。
このあたりは好みにもよりますが、私は乾燥機を使いませんでした。
理由は、私は身長が高いのでサイズが縮み過ぎるのは不都合であることと、私がデニムを買ったお店の店員さんも「乾燥機は特に使う必要はなく、使わないならそれでもサイズは十分安定する」とおっしゃっていたからです。
このあたりは様々な考え方があるようですが、実際に私のデニムはファーストウォッシュから半年ほど経ちましたが、サイズは問題なく安定しています。
また、乾燥機が強力過ぎると革パッチが傷む可能性があるというデメリットがあることも理由の1つです。
革パッチとは、履いた時腰の右側にあるデニムのラベルです。
5.干す
乾燥機を使わない場合、または乾燥機を使ってもそこ前しっかり乾かさない場合には、「干す」工程が必要になります。
干す場所は「風通しの良い日陰」です。
日陰に干す理由は、日光に当てすぎると乾く際の蒸れで生地が傷み、色合いもムラが出てしまうからです
干す際はハンガーや洗濯ばさみを巧く使い、ウエストから裾まで広げて空洞にする。その方が形やシルエットが保てるし、乾燥が早いです。
干すときはデニム全体の形を整え、セルヴィッジ耳の形もしっかり整えます。
セルヴィッジ耳とは、履いた時内側の体の真横に来る縫い合わせの部分です。
セルヴィッジ耳は、洗ったあとここは丸まったり、ヨレヨレになったりしていますが、ここを整えないと色落ちした際に出る線が不格好になってしまいます。
内側が乾いたら裏返していたのをもとに戻し、表側も乾かしましょう。
6.はき込み開始
以上でファーストウォッシュの工程は終わりです。
あとは実際にデニムをはいて育てていきます。
ここで紹介したファーストウォッシュのやり方は絶対に正しいやり方とは限りません。
上にも書きましたが、お湯につける時間や温度は様々で、ファーストウォッシュをデニムを履いたまま海に飛び込んで行う人もいるそうです。
また、中には生デニムをファーストウォッシュせずに履く人がいるようです。
つまり糊がバリバリについたまま履いて育てるのですが、そうすると折り目がはっきりと出るなど、独特の色落ちをするそうです。
しかしこのやり方はおすすめしません。
なぜなら、履いていると生地は段々と伸びていきますが、履いていると必ず洗わなければならない時が来るからです。
そして洗うと縮みます。
時間が経過すると生デニムは変化していきます。
するとサイズ、着ているフィット感が変化するため色落ち具合や履きグセの跡であるヒゲやハチノスのアタリがずれてしまうし、色落ちにヴィンテージ感もでません。
ですので、しっかりとファーストウォッシュを行い、サイズを安定させてから履き込んだほうがいいと思います。
また、ファーストウォッシュで余計な色を落としておかないと、身に着けたとき、上にきている服や鞄に色が移ってしまいます。
セカンドウォッシュはいつが良いか?
2回目に洗うタイミングですね。
「デニムは洗わない」という人もいるようですが、洗わないと汗や皮脂などがつくことでバクテリアが繁殖し、生地を傷めることになり、その結果、長くはくことができなくなってしまいます。
また何より汚いので、デニムは定期的に洗う前提で考えておいたほうが良いでしょう。
すると「いつ・どのように洗うか」が重要になってきます。
これはどのような色落ちにしたいかによって変わるようでが、大体50~100回ほど履いてからが程良いようです。
ともかく、ファーストウォッシュからセカンドウォッシュまでの間が自分の履きジワをそのデニムに定着させる期間であり、どう育っていくかが決まる重要な期間ようです。
2回目以降の洗は、汚れを落とすという意味もあるので、洗剤を使ったほうが良いでしょう。
その時は普通の洗剤でも問題ないのですが、こだわる場合はやはりデニム専用の洗剤の使用をおすすめします。
生デニムのファーストウォッシュの方法と手順のまとめ
以上が私が実際にやった生デニムのファーストウォッシュの方法と手順です。
まとめると次のようになります。
・デニムを裏返しボタンなどはしっかり止める
・大さじ1杯程の塩と酢を入れた約40℃のお湯に2~3時間浸す。(途中お湯を変える)
・水で洗いだあと、洗濯機で洗い脱水する。(洗剤なし)
・形を整え、風通しの良い日陰で干す。
これを読んで生デニムに興味を持ち、参考にしていただいて、人生の相棒となるようなデニムを育てようと思う人がいれば幸いです。
「オシャレは足元から」と言われるほど、靴はファッションにおいて最重要アイテムです。 靴の種類は多種多様ですが、プライベートからビジネス、カジュアルからフォーマルまで幅広くあります。 そんな中で、1番よく履く靴といえばスニーカーで[…]