2024年7月 大分県 佐志生

  • 2024年9月15日
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7月29日。18きっぷで大分県を回り、陽が傾きかけた頃、宿泊予約サイトで宿を探す。

津久見に安く泊まれる宿を見つけたので予約を取り、そこに宿泊した。

翌7月30日。今日はどこへ行こうかと、宿のお母さんに聞くと、「佐賀関はどう?今は鯵の季節でいいですよ」とのことなので、向かうことにした。

佐賀関は九州と四国の距離が1番近くなる小さな半島の先にある漁業の町だ。

そして、その半島の南側の根本にある町が佐志生である。

列車を降りたのは私だけだった。

小高い斜面の上にある駅舎は、小さいながらモダンな雰囲気があるが、周囲には民家が1、2軒あるだけで、人は見当たらなかった。

町に降り散策する。

町から山のほうを見上げると、山腹に小さな鳥居を見つけた。

近くにいた農家のおじさんに行き方を聞いて、その神社に向かう。

汗をかきなが階段を登る、この土地に来たことを報告しつつお参りし、登ってきた道を下る。

佐賀関までのバスは1日数本。そのバスの時間までまだ時間があるので、町の散策を続ける。

海もすぐそこなので見に行く。

海岸からすぐのところに、黒島という小さな島がある、景勝地でもあるようだ。

海沿いをぐるりと歩くと、また小さな神社があった。

時間と体力に余裕があるので、鳥居をくぐり階段を登っていく。

また町を歩く。商店跡や旅館がある。

予定のバスまではまだ時間はあったが、40℃近い猛暑の中をこれ以上歩く気もなくなったので、屋根付きのバス停へ逃げ込む。

バス停の横には飲食店があり、そこはまだ開店時間前だったが、横には自販機でがあったので水をかい、バス停へ逃げ込んだ。

ベンチでぼーっとしていると、お婆さんがやって来て私の隣に座った。

「旅行ですか?」

「はい。佐賀関へ行こうと」

「どちらから?」

「東京から来ました」

「まあ、東京?遠いところから……」

お婆さんはバスに乗るのではなく、スーパーなどの無いこの町にやってくる、生協の移動販売を待っているという。

内容なんて特に無いが、話は途切れなかった。

地元の方とこんな会話をするのも、一人旅の楽しいところだ。

楽しかったのは私だけではなかったようで、「話をしてくれてありがとう」と、お婆さんから缶コーヒーをご馳走していただいた。

「暑いから気をつけてね」

やって来た移動販売車へ向かうお婆さんの心遣いに感謝し、やって来たバスへ乗り込んだ。

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