リジッドデニムとは?生デニムとは?その違いは?わかりにくい言葉を解説します。

ファッションに興味がある方の中には、「生デニム」を自分で育てている人もいると思います。

私もその1人で、以前ファーストウォッシュ(糊落とし)の方法を、実際に自分でやりながら詳しく紹介しました。

ですが、いろいろと調べていると、専門的な用語も出てきて、その言葉が何を指しているのかわからなくなることもあります。

例えば、「生デニム」「リジッドデニム」の違いです。

この2つの言葉は、多くのWebサイトで、まったく同じ意味の言葉として使用されているのを目にしますが、厳密には「生デニム=リジッドデニム」ではありません。

今回はその生デニムとリジッドデニムの違いについて解説します。

ほとんど同じものと考えて困ることはないのですが、デニム好きなら知識として知っておいて損はありませんよ!

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リジッドデニムとは?生デニムとは?わかりにくい言葉を解説します。

リジッドデニムとは?

リジッドデニムとは糊が付いたままの堅いデニム

リジッドとは英語で“rigid”。意味は「堅くて曲がらない,硬直した,こわばった、厳格な、厳密な、堅苦しい」といったあたりです。

日本語の「堅い」とほとんど同じイメージですね。

「堅い木」など物に対してだけでなく、「お堅い性格」など、人の性格についても使用できる言葉です。

さて、その「リジッド」が「デニム」について「リジッドデニム」といったときには何を意味するのでしょうか?

リジッドデニムとは、糊が付いたままの何も加工していない状態のバリバリして堅いデニムのことです。

ではなぜリジッドデニムに糊が付いているかと言うと、デニムを作る時にフニャフニャの布のままではなく、糊を付けて堅くして、裁断や縫製を安定させるためです。

リジッドデニムには2種類ある

リジッドデニムは糊が付いたままの堅いデニムのことですが、そのリジッドデニムには大きく分けて2種類あります。

「アンサンフォライズド」「サンフォライズド」です。

「サンフォライズ」とは、Sanforized Companyという会社が考えた防縮加工方法のことです。

「アン」は否定を表す接頭語「un」です。

つまり

・アンサンフォライズド=糊が付いたままの状態で、防縮加工がされていないもの

・サンフォライズド=糊が付いたままの状態で、防縮加工がされたもの

ということになります。
そのデニムが防縮加工されているか・されていないかは、タグに「Sanforized」と書いてあれば、防縮加工がされたデニムということになります。

生デニムとは?

それでは「生デニム」とは何かについて説明します。

ここまで、糊が付いたままの堅いデニムがリジッドデニムで、そのリジッドデニムには防縮加工(サンフォライズド)されたものと、されていないものの2種類があると紹介しました。

そして実は、その2種類のうちの防縮加工されていない(アンサンフォライズド)のデニムが「生デニム」と呼ばれるものです。

つまり、糊も付いたままで防縮加工も何もされていない、生の状態だから「生デニム」というわけです。

まとめると、2種類あるリジッドデニムのうちの防縮加工されていないデニムが生デニムです。

ということは、「リジッドデニム≠生デニム」になります。

生デニムはリジッドデニムの一種で、さらに何も手を加えられていないものということです。

生デニムのメリット・デメリット

さて、リジッドデニムと生デニムの違いがわかったところで、生デニムのメリットとデメリットを紹介します。

まずはデメリットから先に紹介します。

生デニムのデメリット

ズバリ、防縮加工がされていないことです。

多くの衣服がそうですが、洗ったりすると多少繊維が縮んでしまうことがあります。

生デニムは特にその縮み具合が激しく、初めて洗うと一気に数センチ縮んでしまうので、購入の段階でそを踏まえてサイズを選ばなければなりません。

サイズを間違うと、せっかく買ってきたのに洗ったあとつんつるてんになってしまい、二度と履くことができなくなってしまいます。

ですので、裾上げも買ったときではなく、買ってファーストウォッシュ(糊落とし)を済ませてからするのが賢明です。

そもそも、生地があまりに縮んでしまうのが不便(デメリット)だったので、防縮加工の技術ができたのです。

また、生地の硬さ「オンス(oz)」にもよりますが、体に馴染むまで履き心地はあまり良くありません。

生デニムのメリット

以上のように、生デニムは機能的には不便です。

ですが、生デニムだからこそのメリットがあります。

それは、「1から自分好みに育てるのが楽しい」ということです。

はっきり言って、機能的なメリットはサンフォライズド(防縮加工)されたデニムに比べてありませんが、何も加工されていないものを手間をかけて育てるのは楽しく、愛着も強くなります。

なので自分の育てているデニムを履くのは楽しいです。

「普段身につける服を楽しく着ることができる」というのは、すごく大きなメリットではないでしょうか。

私は買のは絶対に生デニムにしています。

ちなみに現在、私が育てているのは「児島ジーンズ 18oz 左綾 34インチ」です。

やや固く、決して履き心地はいいとは言えません。

しかしそのぶん丈夫なので、旅など汗をかいたり汚れたりする機会が多いシーンでも大胆に履けるので、良き相棒となっています。

リジッドデニムとは?生デニムとは? まとめ

裁断や縫製などの加工がしやすいようにつけた糊が洗い落とされずに、そのままついている状態のデニムを「リジッドデニム」といいます。

そしてそのリジッドデニムには2種類あり、防縮加工された(サンフォライズドされた)ものと、防縮加工されていない(アンサンフォライズド)ものがあります。

そのうちの防縮加工されていないものを「生デニム」といいます。

生デニムのメリットは、1から育てるのが楽しく、育てていると愛着が湧くので、着るのが楽しいということです。

機能的には加工されたもののほうが便利ですが、「着るのが楽しい服がある」というのは幸せなことです。

この記事を読んで生デニムが楽しそうだと思った方は、生デニムを購入し、お気に入りの一本を育ててみてはいかがでしょうか。

 

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