不思議なお店だ。
見たところオフィス街にある普通の立ち食い蕎麦屋で、信州開田を謳う蕎麦が美味い。
ところが蕎麦だけではない。
店構えと立地、そしてメニューからはそう見えないが、一品料理のクオリティが妙に高いのだ。
しかも値段もリーズナブルで、酒もある。
だから昼に蕎麦を食べるのも良いが、会社帰りに軽く一杯やるものおすすめだ。
今回はそんな『à la 麓屋 (あら ふもとや)』を紹介したい。
元フレンチシェフが営む信州蕎麦
地下鉄三田駅またはJR田町駅から、慶應義塾大学へ向かう慶応仲通り商店街に、『à la 麓屋 (あら ふもとや)』はある。
昼に店の前を通ると、店頭には「Aセット チキンカツカリー 880円」とあった。
この店は他にも蕎麦と唐揚げ、ハンバーグ、チキン南蛮など、腹を減らした学生やサラリーマン向けの日替わりで出る。
伝統的な蕎麦屋からすれば邪道かもしれないが、美味しいから文句のつけようがない。
いや、揚げ物と蕎麦だったら天ぷらは王道だ。
蕎麦つゆの出汁を使ったカレー南蛮が名物の老舗蕎麦屋だってある。
蕎麦とガッツリした料理は、もともと相性が良いのだ。
そもそもこの『à la 麓屋』は、蕎麦も一品料理もそれ自体が美味だ。
というのもここの店主は元フレンチシェフで、信州で蕎麦を学んでこの地で蕎麦屋を開業したらしい。
蕎麦以外の料理のレベルが高いのも頷ける。
オフィス街・学生街らしくボリュームがあるだけでなく、しっかり美味しい料理が提供されるお店なのだ。
ここでは昼休みに腹を満たすだけでなく、味で心も満たすことができる。
昼は蕎麦、夜はつまみで一杯
その日の昼に、私は「チキンカツカリー」と蕎麦のセットメニューを頂いた。
カレーと蕎麦を食べたとき、目に入ったメニューがあった。
「季節の天麩羅 春の芽盛合せ」だ。
「こっちと蕎麦のセットにすればよかった」と悔やんだがすぐに頭を切り替え、「夜はこれで一杯やろう」と心に決めた。
その後仕事を終えてすぐに、心を弾ませながら再訪した。
たらの芽、菜の花、ふきのとう、こごみと、春の山菜の主役がずらりと並ぶ。
こごみ以外は2つずつ入っていた。
この量で490円なのだから懐にもやさしい。
もちろん味も絶品だ。
お酒は特別なものではないが、安く気軽に飲める立ち食い蕎麦屋に合っている。
店名 | 『à la 麓屋 (あら ふもとや) |
お問い合わせ | 03-3451-6882 |
予約可否 | 予約不可 |
営業時間 | [月〜金] 11:15~15:00(L.O.14:45) 17:30~22:30(L.O.22:15) |
定休日 | 土曜・日曜・祝日 |
住所 | 東京都港区芝5-26-10 |
地図 | |
公式サイト | なし |