脳が活性化!?音読の効果と方法をまとめました

  • 2019年4月17日
  • 2022年3月12日
  • 日々雑感
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脳に良いと言われる音読

私も毎朝音読に取り組んでおり、頭がスッキリし、しゃべるのも上手くなり、英語も上達するなど、その効果を実感しています。

今回は一般的に言われている音読の効果と、様々ある音読の方法を紹介していきたいと思います。

はじめに

おそらく、ほとんどすべての人が「もっと頭が良くなりたい」と考えたことがあるでしょう。

おしゃべりが上手な人を見て「言葉の引き出しが多くて、頭の回転が速くて羨ましい」とか、受験勉強のとき「英単語や歴史の年号を簡単に覚えられたら良いのに」と、誰もが一度は考えるのではないでしょうか。

もちろん私も考えたことがあります。

また、私はうつ病になってしまったので、頭の働きを良くすることに対して、人一倍切実な想いを持っています。

「頭を良くする方法」は人類の一大テーマですが、私の場合はそんな個人的な事情もあり、頭に酔うことをいろいろ調べ、試してきた中で1番効果を感じたのが音読でした。

そして音読を再開するにあたって調べてみると、副次的なものも含めて、すごい効果がたくさんあるようです。

学校や塾でも音読による勉強が推奨されていますし、ユダヤ人に数多くのノーベル賞受賞者がいるのは、ユダヤ教の聖書であるトーラーやタルムードを音読・暗唱しているからとも言われています。

それは、黙って読む黙読よりも声を出す音読の方が、より脳の様々な場所を使っているからだそうです。

ただし、音読により脳が活性化し、特に前頭前野が活発に働くということは確かなようですが、それがどのようなメカニズムで普段の生活の中で良い効果となってあらわれるというのは、医学的・科学的には必ずしも証明されているわけではありませんので、その点はご注意いただければと思います。

では、音読の世間で言われている効果や方法を紹介していきたいとおもいます。

音読の効果

知識量・記憶力UP

これは当然の話しですが、初めて見る文章を読み、そこに初めて見る言葉や内容が書いてあれば、知識は増えます。

ですが、ただ読むだけでなく音読をすることで知識はより効率的に記憶に定着します。

というのも、物記憶するために良いことは、知識をインプットするだけでなくアウトプットをすることだからです。

音読は「見る(インプット)⇒声に出す(アウトプット)」という2つの作業を同時にできます。

アウトプットがスムーズに(会話・文章)

音読は声に出すというアウトプットを自然としているので、繰り返せばアウトプットの能力が鍛えられていきます。

声に出すので会話はもちろんですが、文章を書く力も鍛えられるそうです。

どんな文章でもこれらの力が鍛えられますが、会話を鍛えたいなら会話体の、書く力を鍛えたいなら小説や論説など、自分が鍛えたい文章を読むと良いでしょう。

様々な種類の文章を音読し、前もって様々なパターンをインプットすることで、実際の会話の場面でも通用する応用力も鍛えられます。

創造力・論理的思考力UP

上にも書きましたが、見知らぬ状況における応用力、または新しいものを作る創造力は、すでにある物事やそのパターン(型)をベースに発展します。

そして、物事やそのパターンというのは論理のことと言えます。

この世界にある様々な文章のパターンを音読していけばその論理構成を身につけることができます。

コミュニケーション能力UP

会話が鍛えられるということはすでに述べましたが、コミュニケーションというのはつまり、相手の発言をインプットし、理解し、それに対して臨機応変にアウトプットすることです。

音読ではそれらが鍛えられますが、他にも様々な論理・思考のパターンをあらかじめ知っておくことで、次に相手がどのように考え・発言するか先読みすることもできるようになるそうです。

また、あとにも書きますが、音読をするとハッキリと話し、表情が豊かになり、自信も付き、目端も利くようになるため、コミュニケーションがより円滑になる効果も期待できます。

ハッキリと大きく良い声になる

私たちのほとんどは普段の生活の中で、声を出し続けるということはあまりありません。

特に「一定の長さのある文章を声に出して読む」ということはアナウンサーなどでなければないと思います。

音読はそれをするので、単純に「声を出す力」が鍛えられます。

ただそのためには、ハッキリと大きな声や良い声を出すことを意識して音読する必要があります。

表情が豊かになる

音読することで口を中心に、普段あまり使わない顔の筋肉=表情筋を使うので、表情が豊かになります。

小説などを感情豊かに読めば、口だけでなく自分の目や額などを動かせば、より表情・感情豊かになるかもしれません。

また表情筋を鍛えれば、リフトアップ効果が期待でき美容にも良いでしょう。

集中力・行動力・意欲UP

音読をすると脳の前頭前野と呼ばれる部分が鍛えられるようです。

前頭前野は知的な作業をしたり、感情をコントロールしたり、何かを判断するなど、人間の意思や意識を司っている部分で、人間が人間らしくいられるのは、この前頭前野が発達したからと言われています。

何かをやろうとする「やる気」を出すのはこの部分だと考えられています。

音読で前頭前野を鍛え、集中力を持って意欲的行動できるようになれば自信もついて、様々なことがさらに円滑に進むかもしれません。

またちなみに、やる気が出ない、集中できないなどの症状が出るうつ病は、様々な原因でこの前頭前野の機能が弱っているという説もあり、うつ病の方は音読をすれば症状の改善が期待できます。

感情をコントロールし、自制心が鍛えられる

ひとつ上に書いたこととほとんど同じですが、前頭前野は感情をコントロールしている部位と考えられています。

ここがうまく働いていないとやる気が出ないというだけでなく、冷静に考えることができず、感情的になり、情緒不安定になったり子供っぽい振る舞いをしたり、また「キレる」などの行動につながると考えられています。

つまり自制できないのです。

ですので、前頭前野を鍛えることができる音読というのは,社会的な生活を送る人間にとって非常に有効だと言えるのです。

またADHD(注意欠陥障害)も前頭前野が関わっているとされ、この障害の改善に音読がある程度有効だと言われています。

ADHD出ない方も、音読で注意力を鍛えれば目端が利き余裕のある、大人な人と見られるようになるかもしれません。

気持ちが落ち着き、ストレス軽減(セロトニン)

以上のやる気や感情に関することとして、音読をすると脳内にセロトニンと呼ばれる神経伝達物質が出てくるそうです。

俗に「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンは、その名の通り人間が幸福感を感じたり、平穏な気持ちになったりということと深く関連しています。

また、このセロトニンがうまく出なかったり、伝わらなかったりする状態がうつ状態と考えられています。

ですので、うつ病でなくても、少し元気がなかったり、気分が落ち着かないといった方は音読をしてみると少し良い気分になれるかもしれません。

朝起きた時、脳が目覚め活性化する

寝起きに音読をすると、ボーッとした頭がハッキリと覚醒していきます。

ですので、音読は朝にするのがオススメです。

また、なにか作業する前に音読をすると頭がスッキリし作業に集中でき、効率が上がります。

つまり頭の準備体操・ウォームアップになるということです。

ですので反対に、寝る直前に音読をすると、頭が活性化して寝られなくなるので注意です。

病気の予防改善(うつ病、認知症、吃音、ADHD)

うつ病やADHDの改善に音読が良いかもしれないということは紹介しましたが、他にも認知症などの脳の病気や、声がうまく出づらい吃音にも有効とされています。

器質的な原因(事故により脳が大きく損傷していたり、口の中や喉のあたりの形によったりなど)による症状にはまた別の対応が必要でしょうが、音読の効果によってこれらの症状が改善に向かうかもしれないというのは覚えておいて損はないかと思います。

どうして音読が脳に良いのか?

音読の方法を紹介する前に、どうして音読がこんなにも脳を活性化してくれるのかと思う型まいらっしゃると思いますので、有力な仮設を紹介したいと思います。

「ペンフィールドの地図」というものがあります。

脳には部分ごとに人間の体の部位が対応しており、この部分は手を動かす、こっちの部分は足を動かすというように脳が区分けがあるとされています。

つまり地図のようになっていて、その地図を発見したのがカナダの脳神経外科医ワイルダー・グレイヴス・ペンフィールドです。

その地図がこれです。

少しグロテスクですが手と顔、そして口(唇、歯、舌、咽頭)が大きな部分を締めていることがわかります。

針仕事など「手で細かな作業をしているとボケない」と昔からよく言われますが、この地図をみると、手を使うということは脳の広い部分を使い活性化させる効果があることがわかります。

ですので、手と同じく「ペンフィールドの地図」大きな部分を占める口を使うこと、つまり音読することは脳を活性化させるために非常に有効だと考えられるのです。

また、この地図の部位をそのままの大きさでつなぎ合わせ人形にしたものが次の画像です。

これは「ペンフィールドのホムンクルス(小人)」といいます。

なんだか宇宙人みたいで不気味でが、この人形を見れば他の部分と比べて、やはり手と口が大きいことがわかります。

この人形の大きくなっている部分を使えば、脳の広い範囲を使い活性化できるというわけです。

音読の方法

さて、ここからは音読の具体的な方法を紹介していきます。

良い効果を得るためには、できるだけ正しい方法でやることが大切ですので、ここではその方法や意識するポイントを挙げていきます。

1日20分は読む

音読の第一人者として知られる東北大学の川島隆太教授によると1回の音読で20分は続けたほうがいいそうです。

また別のところでは10分から15分の素読が良いとも言われています。

ただ、余裕があるなら長い時間続けたほうがより効果が高くなるようです。

また反対に、余裕がなく20分をやる余裕がないときは、5分などの短い時間でも効果はあるようです。

そして、効果が出るまでは1週間なのか1か月なのかは人それぞれのようですが、できる限り毎日少しずつでも音読をしたほうが良いでしょう。

口をしっかり動かす

音読は当然「声を出す」ことを意識しますが、それと同じくらい口を動かす」ことを意識してください。

ボソボソと声をだすのではなく、意識して口をしっかり動かすことで、滑舌良く、ハッキリと大きな声が出て、効果が高くなります。

感情を込める

感情を込めて読むことで表情が大きく変化し、脳の活性化だけでなく、表情筋も幅広く鍛えることができます。

また、感情と表情が豊かな喋り方を身につければ、他の人から魅力的に見えるようになり、コミュニケーションが円滑になるかもしれません。

声のトーンを意識する

人間は見た目だけでなく、声によって受け取る印象が大きく変わります

「女性は耳で恋をする」なんて言われることもありますが、声はそれくらい重要な要素です。

男性は低く落ち着いた声だと聞く人に安心感を与えたり、好印象を与えるのでビジネスなどでも有利だと言われます。

ラジオDJやは声優など、理想の声・憧れの声を意識して音読をすると良いでしょう。

良い姿勢で読む

やってみるとわかりますが、声をしっかり出そうとすると背筋・首筋がしっかり伸び、お腹に少し力が入ります。

このように姿勢を良くしないと声がうまく出ないので、音読の効果は上がりません。

これはまた、音読をしっかりするということは、姿勢を整える効果があるとも言えます。

慣れていない・難しい文章を読む

音読の大きな目的は、脳を活性化させるということです。

人間は、同じことを繰り返し慣れてくると、一生懸命頭を使わずにその作業ができるようになります。

これは人間の学習能力のすごいところですが、鍛える・トレーニングをするといった点では有効ではありません。

筋トレをするときでも簡単に持てるウェイトではなく、持てるか持てないかわからないぐらいの負荷のあるウェイトを使うと、より効率的に筋肉が鍛えられます。

音読もそれと同じで、慣れていない、より難しい文章を読むと、脳をよく使い活性化していきます。

また、知らない文章を読んだほうが新しい知識や考え方を学ぶことができます。

読めない字や間違えた部分は読めるまで繰り返す

黙読だと、例えば知らない漢字が出てきても「なんとなくこう読むのかな?」という感じで流してしまいがちです。

しかし、音読だと読めない漢字は声に出すことができず、誤魔化しが効きません。

わからない漢字や言葉はしっかり調べ声に出すことによって、知識がより増えていきます。

また、黙読だと読めても、これまで声を出して読んだことがないような言葉だと、初めて声に出すと引っかかる、いわゆる「噛んで」しまいます。

ですがそこを何度も繰り返し読むことで様々な言葉をなめらかに声に出すことができます。

これは知識としてもプラスになりますし、普段の会話などでも噛まずに滑らかにしゃべることができるようになるなどのメリットがあります。

様々な文章を読む

これは「慣れていない文章を読む」「読めない部分を繰り返す」と似ています。

ビジネス書と小説は全然違いますし、同じジャンルでも書く人によって論理展開・構造=物事の捉え方・考え方が全然違います。

ですから、様々な文章を読むことは慣れていない読みづらい文章を読むことで音読の効果が高いということももちろんですが、多様な考えや考え方を取り入れるといった意味でもおすすめです。

内容を理解しながら読む

「音読は『見る(インプット)⇒声に出す(アウトプット)』」といいましたが、より正確には「見る(インプット)⇒理解する⇒声に出す(アウトプット)」です。

黙読の場合、眼の前の文章を見て、どういう意味か頭の中で考え理解しますが、音読をやってみると、簡単な文章やすでに知っている文章を除いて、見た文章を頭で理解する前に声に出さなくてはならないことがわかると思います。

内容を理解するためには、繰り返し声に出して少しづつ理解していくか、黙読して理解してから音読をしなければなりません。

どちらの場合にしろ結果的に、文章を「見る⇒理解する⇒声に出す」の行程の「理解する」を声に出すと同時に、つまり超スピードでできるようにならなければなりません。

逆に言えば、音読しながらものすごい速さで理解できるということは、深く理解できているということにもなります。

普段本を読むとき、または受験や資格などの勉強の際にこの点を意識しながらやれば、より多くのものが得られるでしょう。

内容を理解しないで読む(只管朗読)

「内容を理解しながら読む」と全く逆ですが、「内容を理解せずにただひたすら読む」というのも音読のすごい効果が期待できます。

物事を習得していく際の有効な方法として「形から入る」と言うものがありますが、例えば茶道や剣道でも、その意味や役割を考える前に、とにかくその形をひたすらその身に叩き込んでいくというやり方をします。

絵画などの芸術分野に置いても、技術を向上させる方法として1番良いのは「パクること」です。

「パクる」つまり「真似をする」ことです。

「真似る(まねる)」は「学ぶ(まなぶ)」です。

上級者の良い形をとにかく真似をすれば、そこにある本質的な理解や意味はあとからちゃんと付いてきます。

「読書百遍意自ずから通ず」ともいいます。

音読のやり方としても「只管朗読」という方法があります。

これは意味や内容はひとまず置いておいて、ただひたすら同じ文章を繰り返し音読するというもので、外国語の語学学習において大変有効だとされています。

また音読のやり方としても、意味を理解しようとするのは良いことですが、音読と同時にそれをやると結構な負担になります。

しかしこの只管朗読は、やることはただ声に出して読むだけですから、あれこれと考えなくて済むので気軽にできるということも音読を続ける上でメリットであると言えます。

内容をイメージしながら読む

これは映像として頭の中に思い浮かべて読むということです。

文章の内容にもよりますが、映像として捉えたほうがより理解がしやすい、深まるということがあります。

また、言葉として理解するだけでなく、頭の中で映像を思い浮かべようとすることで、脳の様々な範囲を使うので、より脳の活性化の効果が高まると考えられます。

起きたあと、又は、作業の前に読む

これは先程「音読の効果」のところでも言いましたが、寝起きの頭がまだボーッとしているときに音読して声をしっかり出すと、頭がハッキリスッキリと目覚めてきます。

また、仕事などなにかの作業前にやることで準備運動となり、パフォーマンスが上がることが期待できます。

文章を書く作業の前に音読をしてみたところ、書いているとき言葉がスルスルと出てきたり、長い文章を書いたときでも、思いの外早く書き終わったという経験をした方もいるようです。

歩きながら読む

歩くことと脳の活動は大きく関係していると言われています。

歩きながら考えたり、誰かと話し合ったりすると、より良いアイデアが出てくるということがあります。

古代ギリシャ以来、思想家はよく歩きながら議論をしていましたし、京都の銀閣寺の近くにも哲学者・西田幾多郎が歩き、思索に耽ったという「哲学の道」があります。

何かを暗記しなければならないときも、歩きながらすると記憶の定着が良いと言います。
音読も歩きながらすることで、脳により良い効果があるということです。

ただ多くの場合、外を歩きながら声を出していると怪しい人に間違えられる可能性があるので、人のいない場所や時間帯、もしくは部屋の中をぐるぐる歩きながら音読をしましょう。

小さな声でも読む

これは小さな声、または声を出さず口唇や舌だけを動かして文章を読むということです。

声を出さないのは厳密には音読と言えませんが、「ペンフィールドの地図」を見ていただければわかるように、声を出すということだけではなく、地図の範囲の広い口周辺を動かすことが、脳を幅広く使うことだと考えられます。

つまり声を出さなくてもそれなりに効果があるということです。

日本の知の巨人と言われる加藤周一は、通学中の短い時間にも、外国語の活用表を見ながら声を出さずに口の中で舌を動かすようにして読んだことで、多言語を習得することができたようです。

シャドーイング

シャドーイングは音読の一種で、聞こえた言葉や文章を追いかけるようにその場で声に出す方法です。

これは内容だけでなく、言葉のアクセントや声のトーン、話し手の間や息遣いなども身につけることができます。

一生懸命追いかけて声に出すことは非常に良い脳のトレーニングになります。

これは外国語学習に特に非常に有効な方法とされ、英語を聴くのが苦手な日本人にとって重要な訓練になると思います。

ラジオや映画など、自分の好きなものを教材にすれば楽しく続けられるかもしれません。

基本的には耳だけで、書かれた文章を見ないでやりますが、慣れないうちは見ながら声に出し、段階的に見ないでやるようにすれば良いと思います。

暗唱

これは音読のさらに1歩上のやり方で、暗唱は自分が覚えた文章を何も見ないで声に出しますことです。

文章を暗記することは非常に労力のいることですが、頭に入れたことを思い出そうとしながら声に出す=アウトプットすることは脳のとても良い訓練になりますし、ここを目指してやることで、知識量はもちろん、記憶力もものすごく鍛えられます。

ユダヤ人も、音読にとどまらず、暗唱までしていることは知られています。

また余談ですが、西洋古典学者・田中美知太郎は小林秀雄との対談「教養について」の中で「私の教わったドイツ人はむやみに暗記させた。」が「あれが本当」と言っています。

ゲーテの詩を暗唱、つまり何も見ずに声に出すことができるようになったのですが、それも後になると忘れてしまうそうですが、それで良いようです。

1度は暗唱できたもの、つまり自分の中に入ったものは、頭で忘れたとしても、しっかりと自分の血肉になっているということだと思います。

そしてそれこそが「教養」だといいます。

音読の題材に古今東西の古典を取り入れて、暗唱にもチャレンジして「教養」を身に着けてはいかがでしょうか。

歌を歌う

これも音読の一種と考えて入れてみました。

暗唱にも近く、歌は芸術表現ですが、記憶術でもあります。

一部の地域や民族では、文字や文章に書いて記録しない(記録してはいけない)ので知恵や知識、一族の伝承を後世に伝えるために歌や韻を踏んだ詩の形にすることがあります。

身近なところでは「数え歌」もありますし、受験勉強の際にやる人も多い「語呂合わせ」も似たものと考えられます。

つまり言葉に節や調子をつけると覚えやすいということですね。

また、記憶するという以外でも、脳に対する良い効果があります。

楽しく歌を歌うことが好きな人には、歳をとってもハツラツとして元気な人が多いそうです。

単なる音読にも同じ効果がありますが、明るく元気という点では歌をうたうことが優れているかもしれません。

また音楽は仲間を作りやすく、それも人生により良い影響を与えているということも考えられます。

高速音読をする

ここまで、音読の効果とそれをできるだけ効率よく得られる方法を紹介してきました。

しかし、それぞれの方法は有効だと考えていますが、1番取り入れてほしい音読の方法がこの「高速音読」です。

やりかたは非常にシンプルで、ただ速く音読するいうものです。

具体的には、これ以上は「舌が追いつかない」「噛んでしまう」ぐらいの速さを目指しながら、滑らかに声に出せるようになるまで繰り返し音読することです。

音読の効果と方法はいくつもありますが、それらをさらに効果的にするのがこの高速音読と言われています。

頭が良くなるということは、別の言い方をすれば「頭の回転を速くする」ということです。
そのためにはスピードを意識することが大切なので、速く読む「高速音読」が有効だと考えられます。

速く走れるようになるためにはより速く、より重いものを持ち上げるためにはより重いウェイトでというように、今の限界を越えようとするトレーニングをすることが能力向上に有効であると考えるとわかりやすいと思います。

また高速音読で、音読の速さで限界を越えようとすると、脳はより力を発揮しようと、より広範囲が働くので、より多くの能力が鍛えられる波及効果があるとも言われます。

これらを組み合わせる

すでにいくつか紹介しましたが、以上の音読の方法をいくつか組み合わせることで、相乗効果が得られます。

しかし例えば、「内容を理解しながら読む」と「内容を理解しないで読む」は組み合わせられないので、自分が良いと思う方法を選び、組み合わせ、試しながら音読をしてみてください。

そして何より注意していただきたいことがあります。

音読で良い効果を得るためには継続することが大切です。

あれもこれもと詰め込みすぎないで、長く続けられるよう、負担が大きくなりすぎない自分なりの音読を探してみてください。

おわりに 体験談

最後に私が音読をして良い効果を感じた体験をお話しておわりたいと思います。

私はうつ病とその症状で困っていて、どうにか改善させようと以前にも音読をしていました。

その時は体調が音読ができないほどひどく落ち込んでしまったこともあり、結局中断してしまいましたが、2ヶ月ほどは続けました。

その時、音読を始めて数週間たった辺りで周囲から音読の効果と思われる反応がありました。

当時、私は飲食店で接客の仕事をしていたのですが、一緒に働くお店の上司とお客さんから「元気だね」「ハッキリした声で気持ちがいいね」といった、お褒めの言葉をいただきました。

また、そう言われたことで気分が良くなり、自信にもなったこともあるでしょうが、自分でも体がスムーズに動き、テキパキと仕事ができたように感じていました。

その後、体調不良によって音読をやめてしまいましたが、そういった効果を実感していたので、また体調が良くなってきたこの機会に音読を始め、自分にとって良い流れが作れたらと思います。

この記事を読んでいただいた方は、ぜひ参考にして音読を始めてみてください。

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