京アニ制作アニメ『AIR』の聖地に行ってきました。
今回は兵庫県美方郡香美町香住です。
前回は和歌山県の美浜町を中心に紹介しました。
京都アニメーション制作のアニメ『AIR』の聖地に行ってきました。 和歌山県美浜町と兵庫県香住町に行きましたが、今回は和歌山県美浜町です。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://fumihazush[…]
はじめに 香住と『AIR』
香住と『AIR』
香住は、大々的にではありませんが、『AIR』の聖地であることを自治体自ら紹介しています。
神戸新聞系列の地元紹介サイト「兵庫おでかけプラス」の2018年7月18日の記事に、聖地として紹介するようになった経緯が書いてあります。
現在、様々な地域で行われているような「アニメとコラボして町興し!」という商魂たくましいものではなく、職員が自分の町がモデルになっていることに気づき、訪れるファンに自然とそれに応えるようにして、町とともに『AIR』を紹介するようになったようです。
私が実際に訪れた時に感じたのも、人を呼び込もうとガツガツしたものではなく、自分たちの町が作品のモデルになっていることを喜び、やってくる人たちに楽しんでもらいたいという温かな雰囲気でした。
聖地巡礼に訪れたら、まずは観光案内所へ
『AIR』にゆかりのあるスポットを巡るために香住にやってきたのならば、まずはJR香住駅に併設されている観光案内所へ行くと良いでしょう。
ここでは「AIR舞台探訪マップ」がもらうことができ、さらにマップを受け取った人はくじを引いて景品をもらうことができます。
今回は主にこのマップを見ながら町を巡りました。
モデルとなった場所だけでなく、雰囲気の似た場所やAIRのキャラをモデルにした「飛び出し坊や」の設置場所なども記されています。
観光案内所で引けるくじで、私はしゃぼん玉が当たりました。
くじには景品名とポテトの絵が描いてあります。
しゃぼん玉は物語の中で、みちるが練習していますね。
他にどんな景品があるか見せていただきました。
景品はタオル、ウェットティッシュ、しゃぼん玉、桃ジュース、AIRカード、それとここにはありませんが、レンタサイクル割引券だそうです。
この中で『AIR』にゆかりがあるのはしゃぼん玉、桃ジュース、AIRカードです。
私は見事にそれを引き当てました。
しゃぼん玉で特に嬉しいです。
作品そのもののグッズではなく、それを象徴するものというのが私好みです。
AIRカードは京アニの事件以降、有志の方からの寄付されたもののようです。
桃ジュースは職員の方は「作品とは違いますが…」とおっしゃっていましたが、作品に関係のあるものとしてこれを選んでいることにユーモアを感じます。
観光案内所内には、他にも『AIR』に関係のあるものがいくつかあります。
入ってすぐ左側にはみちるの人形があります。
そしてその背中には『AIR』のDVDがありました。
第1巻は悲しいことに借りパクされてしまっていたらしいのですが、最近聖地巡礼の常連さんから新たに寄贈されたとのことです。
香住は #京都アニメーション 制作 #AIR の舞台と言われております。何と今日、聖地巡礼常連様からDVDを寄贈して頂きました!
観光協会にもありましたが、第1巻は借りパクされてしまい、それを知った常連様が今回提供してくれました!ありがとうございます。#香美町 #香住 pic.twitter.com/GJ46NYj7Zi
— 香美町香住観光協会@1/14~2/2香美町フェア in グランフロント大阪 (@kasumi_kanko) December 17, 2019
職員の方が応対してくれるカウンターではポテトを抱いた佳乃の人形が迎えてくれます。
当時はこの香住でも、京都アニメーションへの支援金を集めていました。
私も力になれたらと思い、わずかばかりですが支援してきました。
そしてたまたまですが、最近地元の子ども達が地引網を行い、その後に配ったお菓子が余っっていたようで、京アニを支援したお礼としてそのお菓子をいただきました。
職員の方は「余り物ですが…」とおっしゃっていましたが、すごく嬉しかったです。
また、『AIR』の聖地巡りを目的にやってきた人が書き込めるノートもあります。
香住へは多くの人が様々な目的でやってくるでしょうが、こういったものがあることに。訪れる人に対するこの町の心遣いを感じます。
そして、先程のくじの景品でもありましたが、この観光案内所でレンタサイクルを借りることができます。
私も電動アシスト付き自転車を借りました。
町内の散策が非常に捗るのでオススメです。
アニメ『AIR』の聖地 兵庫県美方郡香美町香住
ここからは、私が訪れた香住の町で『AIR』にゆかりのある場所を紹介していきます。
今回は、上でも述べた香住の観光案内所でいただけるAIR舞台探訪マップで示されているスポットを中心に回りました。
そのため、ロケ地となりアニメに描かれた風景だけでなく、似た雰囲気の場所や「飛び出し坊や」なども紹介していきます。
駅前と香住浜
香住は「香住ガニ」というブランドガニで有名な町です。
列車を降りると駅構内にはカニのオブジェがあります。
このカニが迎えてくれる改札を抜け、駅を出ます。
右側には先ほど紹介しました観光案内所があります。
駅を出ると通りがありますが、そこを渡ったところが1つ目のスポットです。
通りの向こう側にみちるの飛び出し坊やがあります。
「飛び出し坊や」は、急に道路に飛び出してくる子どもがいるかも知れないという車のドライバーに向けた、注意喚起のための子どもの形をした看板です。
全国にありますが、いつからかその土地のゆかりの人物やキャラクターを模したものが出てきました。
香住では『AIR』の登場人物を採用したということです。
この町にはみちるの他にも往人、観鈴、佳乃、美凪、神奈備命の飛び出し坊やがありますので、それも順番に紹介していきます。
次の場所は、駅を背にほぼ真っすぐ伸びる道を進んで聞くと見えてくる海です。
ここが香住浜で、マップには似た雰囲気とされています。
また、距離が少し離れていますが、第2話や第11話に出てくるような海に突き出た灯台が見えます。
灯台は、前回の和歌山県美浜町の記事で紹介したシーンにも映っています。
海の景色は、必ずしもここがモデルになっているとは断定できませんが、雰囲気は似ています。
11話のシーンは和歌山県美浜町の方で紹介しましたが、このような灯台は実際は美浜ではなく香住にあります。
制作の段階で様々な風景やイメージを重ね合わせ作っているのではないでしょうか。
さて、この灯台の反対側を向くと、向こう岸に学校が見えます。
学校自体は似た雰囲気とされているだけですが、その近辺にはモデルとなった場所と飛び出し坊やがあるので、そちらに向かいます。
香住高校周辺
この学校は兵庫県立香住高校です。
観鈴達が通う学校のモデルとなったのはここではなく、福岡県の北九州市門司区白野江にある市立白野江小学校だとされています。
ですが、海を望む白い校舎は雰囲気が似ていますし、『AIR』とは関係なく「こんな高校に通ってたらどんな人生になっていたのだろう」という想像をかき立てるような立地にある素敵な学校です。
学校の目の前は堤防があり、校舎からは海が見えるのでしょう。
もしかしたら、観鈴と往人が初めて出会った堤防は、こんなところなのかもしれません。
そして、香住の町に住む方もそういった雰囲気を感じるのか、このすぐ近くに往人の飛び出し坊やが設置されています。
往来の飛び出し坊やは一時期破損のため撤去されていたらしいですが、現在は復活しています。
また、香住観光協会の公式Twitterによると、傷んできたらその都度修繕しているとのことです。
AIR飛び出し坊や全6体の現状を確認してきました。
「みちる」と「観鈴」は早急に修繕が必要ですね。。
みちるは昨年5月末に塗装をし直したはずなのに、、、また完了しましたら報告いたします!#香美町 #香住 #AIR #聖地巡礼 #飛び出し坊や pic.twitter.com/kwGJzOMU32
— 香美町香住観光協会@1/14~2/2香美町フェア in グランフロント大阪 (@kasumi_kanko) January 9, 2020
次の場所へは、学校側からこの往人の飛び出し坊やの横を通り、道なりに真っ直ぐ進みます。
すると橋が見えてきますが、ここがロケ地となった場所です。
観鈴が往人と遊びたいと言いながら付いていきますが、往人はそれをあしらうような態度を取ります。
そんなふうにしながらも話し歩いていて、人形がないことに気づくシーンです。
以前はアニメにあるような木造の橋だったらしいのですが、現在はコンクリート製に建て変えられています。
ただ横から見た画像では、アニメでもコンクリートっぽいです。
まだ木造の頃のにやって来て写真を撮った方のブログもあります。
TV版「AIR」舞台探訪〜兵庫県香美町、京都府宮津市編〜…
また香住の町全体がそうですが、この辺りは木造の家屋が多く、歩いているだけで作品のような海辺の田舎町の雰囲気を感じます。
香住駅南側
学校の周囲を散策した後は、一旦香住駅まで戻ってきました。
ここからはレンタサイクルで回りました。
まずは香住駅南側にある田んぼの中の道へ行きます。
1話の往人と佳乃が出会うシーンです。
撮影地点はここではないという話もありますが、田んぼの中をまっすぐに伸びた道と、佳乃の右後ろに見える建物が似ているきがします。
この辺りには同じ様な道があるので、訪れた方は探してみるといいと思います。
そしてこの近くには、ここから少し戻り、北東へ進むともう1箇所モデルとなったあります。
しかし、そこに関しては私は完全に間違えてしまいました。
マップには「川沿いの道」とあるので、同じ1話のポテトを追って往人が落ちたシーンや観鈴が川遊びをするシーンの橋かと思ったのですが違うようです。
これが私の撮った写真ですが、ロケ地となったのはここではないようです。
いろいろ調べたところ、第3話で佳乃と往人がポテトを探しながら歩いている所らしいのです。
それがこのシーンです。
マップにある「川沿いの道」はどうやらこのシーンのことのようですが、残念ながら私は勘違いし、見つけられないまま通り過ぎてしまいました。
ゆりゆりゆりと (@yz10citrus) | Twitter
さんという方のブログにはこの写真があるのでお借りいたしました。
この方のブログには他にも私が取り逃したものを含め、参考になる写真がたくさんあるので、ぜひご覧ください。
金比羅神社から天文台へ
マップの「川沿いの道」から線路を渡り少し広めの道に出ます。
ここから天文台に向かい、そこを折り返し地点としてぐるっと周ると、ロケ地とされているスポットは大体通ることができます。
まずは、線路を渡って道なりにいったところにあった美凪の回想に出てくる火の見櫓です。
この火の見櫓があったらしいのですが、火事で焼失してしまったとのことで、そのこともマップに書いてあります。
私はここでもあった場所を見つけられませんでしたが、近くには公民館と防災倉庫があるので、この辺りにあったのではと思います。
また、先ほど紹介した学校周辺の橋の近くに現在も火の見櫓があるのですが、それが作中のものと同じ形をしています。
それを見て、こういった物があったと思っていただければと思います。
てっぺんが三角形なのはアニメと同じです。
次は、この公民館のある通りを天文台方面へ向かいます。
そして、その途中には金毘羅神社があり、道から神社への入り口には神奈備命の飛び出し坊やがあります。
しっかりと翼人の翼が付いています。
神奈の前を通り、金毘羅様にお参りしてきました。
登場人物のキャラクターを考え、その雰囲気にあった神社近くに設置されているのが嬉しいです。
次の場所へは道に戻り北に進みます。
すると丁字路に突き当たり、その向こうに高台が見え、この高台の上にOPで美凪がいる天文台・香住天文館があります。
丁字路は右に行っても左に行っても天文台へは行けます。
私は右から行きました。
右には香住東港があります。
夏はイカ漁の時期で、漁船には漁火の電球が並んで付けられています。
ここから坂を登っていきますが、ここは電動アシスト付き自転車でもつらく、押して登りました。
標高が上がっていきます。
ただ距離はそれほどでもなく、坂を登り始めてから5~10分で頂上につきます。
その頂上付近に天文台があります。
そして、天文台の入り口には美凪の飛び出し坊やがあります。
そしてこの奥に天文台があります。
画像にある天文台の方へ入っていく道にはチェーンで遮られていますが、観光案内所の方によると、写真を取るくらいなら入って良いとのことです。
(私は最初に行った時は入らず、観光案内所に戻ってからそう伺った後でまた行きました)
現在、天文台は月に1回、子どもたちの学習のために使用されているそうです。
ここからは下り坂なので、自転車だと楽です。
風を切って駆け下りるのは気持ちが良かったです。
海へ突き出た灯台も見えます。
この坂を降りて少し進むと、再び町中に戻ります。
香住漁港から香住浜へ
天文台のある高台から南へ下り、町に戻ったその右側には漁港があり、この近辺にもロケ地となった場所があります。
ですが、マップに記されている「1話の船着き場」もどこの辺りかわかりませんでした。
先程の東港での写真に、イカ漁船の漁火の電球がついている写真を上げましたが、このシーンの漁船にもしっかり付いているので、季節が夏だということがわかります。
京アニの方々もここでロケハンし、画作りの参考にしたのではと想像します。
しかし、いくつかのブログなどでは船が並んだこのシーンだとされていますが、これだけでは確実にここでロケハンをしたのだということが断定できません。
個人的には下の場面のような場所があるのかなと検討をつけて探したのですが見つけることはできませんでした。
1枚目の船が並んでいる様な場所はあったのですが、この時そこは工事中だったため近づけませんでした。
また何より、ここは漁港であり働いている人がたくさんいるので、迷惑になると思いあまりここを歩き回ったり写真を撮ったするのは良くないのではと感じました。
少し遠目から1枚だけ撮らせていただきました。
漁港から通りに戻り、さらに道なりに進むと、漁港を抜けた辺りに砂浜に古い漁船が打ち捨てられ、草が生い茂る雑然とした場所があります。
そこが次のスポットです。
観鈴の飛び出し坊やと、ロケ地となった場所があります。
草が生い茂っていて分かりづらいですが、この観鈴の飛び出し坊やの横に人がなんとか降りられる程度には緩やかな斜面になっていて、ここがモデルとなった場所です。
ここは第1話で往人が失くした人形を観鈴と一緒に探した場所です。
下に降りたかったのですが、ご覧の通り草が行く手を阻んでいます。
カラスも探しましたが、残念ながら見つけられませんでした。
ここからさらに海沿いに駅の方へ近づいていくと、最後のスポットです。
進んでいくと漁港の雰囲気が消え、人が泳げるような砂浜になっていきます。
道路から砂浜までは広い芝生の公園を挟んでいるのですが、そこに佳乃の飛び出し坊やがあります。
佳乃の飛び出し坊やは車道側を向いているので、歩道からは少し見えづらいです。
足元にポテトがいるのがカワイイです。
以上が兵庫県香住町でのアニメ『AIR』にゆかりのあるスポット巡りです。
ところどころ不確かな部分がありましたが、おおよそ巡る事ができたと思います。
おわりに
以上で私がこの夏に行った、アニメ『AIR』の舞台探訪は終了です。
まず、この記事で紹介した香住町の観光案内所の職員の方に感謝を申し上げます。
私が訪れた時、案内所にいたのは1人の女性でした。
若くて可愛らしい、そしてなにより親切な方でした。
お仕事中にも関わらず、私の質問や要求に快く応えてくれ、『AIR』のことだけでなく、町の情報を細々と教えていただき、大変気持ちよく町を散策できました。
名物のカニや夏が旬のイカ、かえる岩のお話なども伺い、教えていただかなければ今後知ることのないまま過ごしていたことも知ることができました。
そしてそういった応対の中に、訪問者への心遣いと町への愛情を感じ、とても温かな気持ちになりました。
『AIR』というアニメ作品の扱い方についても、押し付けがましくなく、それでいて丁寧にしているという印象でした。
作品を含めて香住という町を大切にし、その素晴らしさを伝えようというしていると感じました。
私は『AIR』の舞台だからというだけでなく、また香住町を訪れたいと思っています。
今度はカニの時期が良いかなどと考えています。
この度はありがとうございました。
最後に、この記事で使用されている作品画像は2019年8月現在、Amazonプライムビデオで視聴可能なTBSオンデマンドより引用させていただきました。
そのため、その著作権は放送の主体であるAmazonとTBS、原作者であるVisualArt’s/Key、そして製作者である京都アニメーション、その他各権利者にあることをここに示させていただきます。
おまけ 香住の風景
和歌山県美浜町を歩いているときにも思いましたが、『AIR』を観ていると、判明はしていませんが、モデルになった場所や参考になった場所は細かい部分を含め、まだまだあるのではと思います。
こんな町並みも実際にどこかにあるのだろうと思います。
どちらの町も素朴で、穏やかですが美しい町です。
海辺の町ということで、美浜町と香住町は似ているところがありますが、太平洋側と日本海側で、雰囲気が全く違うとも感じました。
ただどちらも、派手ではないですが、何気ない町並みの風景に人間を描く物語の創作意欲が刺激されるのだと思いました。
最後に、ここまで読んでいただいた方にも、そんな香住の町の雰囲気を感じていただきたいと思い、『AIR』とは関係ありませんが、私が訪れた順番で町の写真をいくつか紹介したいと思います。