上野から京成線で荒川を渡った最初の駅である堀切菖蒲園はいわゆる下町とされる葛飾区にある。
ここは呑兵衛の町として知られる立石からもほど近く、この堀切菖蒲園一帯にも古き良き酒場が点在する。
今回はそのうちの一軒『きよし』だ。
移転後も昭和の面影を残す下町酒場
創業は昭和39年で以前は京成線のガード下で営業していたが、2010年に現在の場所へ移転した。
私は行きたいと思い堀切を訪れたが、その時は不運にも臨時休業のため入ることはできなかった。
しかし現在営業している店舗も、周囲の町並みを含めて、古き良き昭和の酒場の雰囲気を味わうことのできるお店のようだ。
吉田類の酒場放浪記にも登場したお店で、機会を見つけぜひ行きたいと思う。
家庭の味を中心としたリーズナブルな居酒屋料理
料理は凝ったものではなく、親しみやすい居酒屋料理が中心で、お値段も親しみやすい。
たとえば、おしんこやほうれん草のおひたしは200円台からで、あさりの酒蒸しも300円台でいただける。
オススメの自家製コロッケと納豆揚げも280円だ。
お品書きとその値段を見ただけでも、肩肘張っていくお店ではなく、気軽にお酒や料理を楽しむ店であることがうかがえる。
しかし、だからといって侮ってはいけない。
料理の種類は豊富で、煮こごりや常連さんオススメのクラッカーをディップして食べるチリビーンズなど、一工夫凝らした品もあり、その多彩な料理はお酒の美味しさと楽しさを倍増させてくれる。
そのほかお刺身も新鮮かつ日によって様々なものが仕入れられている。
まぐろの中落ちや、季節には新さんまも刺身で食べることができ、さらに馬刺しなどもある。
しかもこれらは500円以下で食べられるものがほとんどで、何を食べようか悩んでしまう。
お酒のお供となる料理の種類が豊富で、その上お値段もお手頃。
下町の酒飲みのためのお店だ。
下町酒場のお酒はやはりボール
下町の酒場と言えばボール(下町ハイボール=焼酎ハイボール)だ。
ボールはお店によって作り方や独自の会計システムがある。
この『きよし』でも1杯250円のボールは、空いた炭酸瓶の数で勘定される。
飲む方はお勘定だけでなく、空いた瓶の数を見ながら美味しくお酒をいただける程度を計りながら飲もう。
その他のお酒は、ビールはもちろん各種サワ―やホッピーセット、日本酒もあるが、種類は多くない。
日本酒も各地の地酒がそろうような店ではない。
しかしそのシンプルなライナップがまさに下町の酒場というもので、妙にこだわったお店にはない親しみやすさを感じる事ができる庶民の居酒屋だ。
昔ながらの下町酒場を楽しもう
堀切菖蒲園の『きよし』は、古き良き下町酒場だ。
豊富な種類の料理でお酒を楽しむことができて、しかもお値段はリーズナブルだ。
このような気軽に立ち寄り、昔ながらの下町酒場の雰囲気を味わうことができるお店は今後ますます減っていくと思うので、ぜひ行ってみたい。
しかし、気張っていくお店ではないものの、地域の方や常連さんが集まるお店でもある。
そのため他所から尋ねる場合は、一般的な礼儀はもちろん、そのお店やお客さんたちが作る雰囲気を壊さないよう心がけて、料理やお酒を楽しむべきだろう。
店舗情報 | |
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店名 | きよし |
ジャンル | 居酒屋 |
住所・地図 | 東京都葛飾区堀切5丁目23−6 |
アクセス | 京成堀切菖蒲園駅から徒歩約5分 |
営業時間 | [月火水金土] 17:00~22:00 [日] 15:00~22:00 |
店休日 | 木曜日 |
お問い合わせ | 03-3690-9947 |
ホームページ等 | きよし(食べログ) |